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大学(学部)卒業に寄せて

  • 執筆者の写真: 小林真生
    小林真生
  • 3月19日
  • 読了時間: 2分

 昨日、卒業式があり、明治学院大学文学部を卒業しました。「あっという間」の 4 年間だった、あるいは長かったなど、世間で色々な感想の飛び交うこの頃ですが、私にはこの 4 年間が時間を超越しているように思えます。入学してから積み上げてきてことが、つい最近になってすべてつながったような感覚を覚えるのです。


白金台にて
白金台にて

 4 年次にはゼミも一緒になった某 A というのがいます。


 2021 年某日、ある 1 年次の一日です(以下、衝動で書き起こしています、多少の記憶違いはご容赦ください)。この時期柄によって、オンラインで受けることになった楽典の授業がありました。4 限か 5 限の、冬になるとほとんど日が沈むくらいの時であり、この日は関東に大雪のおそれ(記憶違いなら台風)があって授業の前後で警報が発令されました。講師の先生は心配し、私や A ちゃんを含む構内や出先で受けていそうな人に訊ねる。


 「もし大変だったら退出してもいいから。電車が止まるかもしれないけど、帰りは大丈夫?」。


  A 氏は応じる。


 「が、、がんばります」。


 がんばるんじゃなくて、、と笑い合う。私の画面からは先生と数人しか見えませんでしたが、我々にはそんな一時がありました。


 夜方から、切なさをきわめる夕方。そうして想い出すのは日の巡り、時間の陰影です。この日にも、そのような黄昏時があった。はたして雪はどれくらい深まったのか、今となっては私も憶えてはいません。


 それでもこの卒業に際し、件の「がんばります」は現在を突き刺します。


 ええ、がんばります。


 私たちに、本人たちに、未来を知る由もありません。

 
 

​小林真生は音楽をする人

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